
私たちは癒えないキズが消えることを願い、キズのあるものを”キズもの”として仕分ける。しかし、キズは時間や経験を刻んだ個性の印である。デジタルにはない手触りあるリアリティである。
均一な品質が約束されるコピー式の大量生産によって、不均一な表情に生まれたものは受け入れられない世の中である。
昔に手織りから始まった布作りにおいても、今や些細なキズでさえ許容しない。
キズという価値観に目を向けることで、今求められる多様なあり方を考えるきっかけになると考えた。
キズが柄となり、個性を輝かせる衣服を表現した。
素材: 家業縫製場にて余剰在庫の生地(3種類)
削れるように配合したバインダー・顔料
Hair and Makeup by Yuko Terada for SHISEIDO
Photography by YASUNARI KIKUMA / ©︎ FASHION FRONTIER PROGRAM
Tomoki Ono 大野智幾
メールアドレス: tomoki_ono@piono.jp