FASHION FRONTIER PROGRAM2022 にご応募頂いた皆さま、改めてありがとうございました。長時間に及んだ一次審査を経て、2022年度のファイナリストに選出されたのは、こちらの8名です。
佐藤 凜花
島田 響
田中 優大
播磨 マイア
村尾 拓美
山田 菜々葉
ヤマモト キサ
山本 勇大
先日キックオフミーティングが行われ、プログラムがスタートしました。ここから11月末に向けて、エデュケーション期間を経て作品制作を行っていきます。今後の発信にご期待ください!
Rinka Sato
佐藤 凛花
大量廃棄が問題視されている中で、ゴミとは何かを再考したい。
ゴミ=大切にする気持ちがなくなったものを指していて、“使えない “などと理由をつけて廃棄しているのは人間。ゴミになるかどうかは主観で決められると私は思います。
そこで、美しくて大切にしようと思えるものをゴミで製作しようと思いました。人々が心惹かれる時、それはゴミではなくなるだろうと信じて。
ゴミ箱に捨てられ一度は死んでしまったものたちを拾いあげ、カケラを繋ぎ合わせ一つの美しい服にする。
テーマは「ゴミ箱の中から街中へ」です。
Hibiki Shimada
島田 響
人々の心を満たす為にあるべきファッションが、商業としてのファッション産業が利益追求を重視してきたため、心が自然と調和するという美学の根本理念を過度に侵食してしまったのではないでしょうか。
そんな中自分ができることは、ファッションに限らず消費サイクルの本流である「プロダクト」を再利用する際にそのサイクルの外またはそこからできるだけ離れた場所に位置させる事、リアルクローズではなく衣装を製作することだと考えます。
Yudai Tanaka
田中 優大
テーマはWearable Toy(装うことができるおもちゃ)です。年齢や性別や立場を超えて共感を産むプレイフルな世界、そしてそれを装うものとして表現することを目指しています。
このような時代だからこそ、暖かさや、機能性はもちろん、環境にも配慮しながら、着るという行為が遊びのような楽しさをもつといいなと思います。
長期的な目標としては、クリエーションにおけるビオトープ(BIOTOPEは生物学の用語で、動物や植物が安定して生活できる生息空間のこと)を作りたいと考えており、今回のコレクションのような排他性のない、楽観的な世界観を持って、さまざまなクリエーターと協業しながら、皆が素晴らしいクリエーションの力を発揮できるような場所としてファッションデザイン、アートディレクション、グラフィックデザインが融合した活動を行っていきたいと考えています。
Maia Harima
播磨 マイア
ゼロウエイストや伝統からの技術をインスピレーションにして研究を行っています。
工芸品とテクノロジーの合間で最もサステナブルな生産を探求したいです。
手作りで行う制作は時間がかかりますが、そこに魅力があるかと思います。
現在、ファストでどこでも何でも見られる時代において、時間をもつものの価値もあります。
作り手の速さを変えることだけではなく、社会の考えを変えて行くべきだと思います。
生分解性に着目し、そのプロセスの時間にも意識を向けています。
Hiromi Murao
村尾 拓美
3DCGを活用した服作りを考えています。
例えば、ゲームのアバターのボディや顔が詳細にカスタマイズできるようになっているように、服も自分のボディに合わせて調整できるような世界。
近い未来の体験のイメージでいうと、具体的には、服を買う時に「入らなかったから」「自分の体形に合う服じゃないから」といって好きなデザインを諦めるような、服に自分の体型を否定されず、結果的に自分の体をもっと肯定できるような世の中になってほしい。
もしかするともっと未来ではリアルの体をアバターのようにカスタマイズできるようになっているかもしれません。
カスタマイズされたボディのデータに対してフィッティングされたアイテムを、3Dプリンターさえあれば様々な場所で服、もしくは組み立てられる素材が出力できる世界。
ヴァーチャルの中での自由なファッションが取りざたされている今こそ、ヴァーチャルが自由にしてくれた部分をリアルへ出力する方法を探っていきたいと考えています。
Nanaha Yamada
山田 菜々葉
羊も人間も幸せに生きられる環境で、服作りがしたいと思っている。
ストレスのかかる毛刈りのされ方をしたり、狭い小屋に閉じ込められたり、そういった羊を世界からなくし平和に穏やかに育った羊の毛を使用して人間を暖めるセーターを編みたい。
もちろん牧場で働く人や製糸工場で働く人、ニッターにもストレスのない環境で正当な賃金を支払う。
そうして羊も人間も幸せになるのだ。
しかしそう簡単な話ではない。今回は羊に焦点をあて考える。
作品は羊を大切に扱う国内の牧場から集めたウールを国内にいる複数の紡ぎ手に紡いでもらい、その糸を組み合わせて手編みで製作する。
ウールを編むということは一見毛を刈るだけで羊に負荷がかかることはないから良さそうだが、実際は考えるべき問題が沢山隠れている。この問題をひとつずつ解決していかなければならないと強く思う。
Kisa Yamamoto
ヤマモト キサ
”自分のペースを確保しながらもやりたいことができる環境作り” への貢献をしたい。
具体的には、作業工程を削減できる独自のディテールを考案、実用化を可能にし労働環境の負担を軽減。
ファッション産業のタイトなスケジュールに体と心がついていけなくなってしまった同じ業界の友人もおり、同じ境遇にいる身として労働環境を少しでも軽減できるきっかけを作りたいと思うようになった。
将来的にはには機械の導入も視野に入れ、個人的な技術として留めるのではなく、より多くの人が簡単にすぐに実践できるディテールとして流布し、さらに縫製工程を軽減に貢献したい。
テーマはそのまま、ありのままという意味の“as it is”。
Yudai Yamamoto
山本 優大
FASHION FRONTIER PROGRAMでは、様々なプロジェクトを基に継続的に学び続けられるところに魅力を感じています。
時が進めば新しい社会的問題が生まれるのは必然です。
FFPに参加するという事とはこの先ファッションを通してそのような問題に声を上げ続ける事だと思っています。
場所は違えどこの社会の事を想いクリエイトしている人達が集まれば必ず大きな化学反応を示します。
その化学反応をFFPと共に大きく育てこの社会にファッションを通して解き放ち社会が少しでも変動する事を強く望んでいます。
作品は、日々の生活の中で受け取っては捨てるレシートから「垂れ流しの記憶」をテーマに製作します。