FASHION FRONTIER PROGRAM(FFP)のパートナー企業であるセイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)のご協力のもと、今年度のセミファイナリストと昨年の受賞者が、長野県にある「ソリューションセンター富士見」を訪問しました。
FFPでは、作品制作に向けて、クリエイティビティとソーシャルレスポンシビリティの双方についてさまざまな角度から学び、それぞれが自身の作品や問いを深めています。
今回の訪問では、そうした学びを実際のものづくりの現場へとつなげながら、デジタル捺染をはじめとするエプソンの技術に触れ、環境負荷を抑えながらクリエイターの表現の可能性をどのように広げることができるのかを学びました。


また、実際の設備やさまざまなプリントサンプルを見ながら、素材による発色や質感の違い、インクと生地の相性など、表現に関わる技術的な特徴についても理解を深めました。参加者からは、自身が研究しているテキスタイルや試作中の素材について具体的な質問も寄せられ、エプソンの技術者の皆さんとの対話を通して、技術の特性や制限をどのように自身の作品に活かせるか、それぞれが制作の可能性を探りました。
さらに、デジタル捺染だけでなく、水をほとんど使わずに繊維素材を解きほぐし、結合・成形する「ドライファイバーテクノロジー」についても学びました。繊維産業における水資源の使用や環境負荷といった課題と、それに対する技術の可能性を知ることで、「何をつくるか」だけでなく、「何から、どのようにつくるのか」まで含めて、自身のものづくりを考える機会となりました。


これまで染色やデジタルプリントを制作に取り入れてきた参加者にとっても、実際の設備や工程を目にし、染色と捺染の違い、インクと素材の相性などの基礎から学ぶことで、新たな発見がありました。また、環境負荷や生産に携わる人々への影響を減らすために技術開発が重ねられていることを知り、「自分自身がプリントするという行為にも責任があると感じた」という声も聞かれました。
一方で、技術にはさまざまな特性や制限があります。今回、その制限を工夫によって乗り越えるだけでなく、時にはデザインに活かすことで新しい表現につなげている事例に触れたことも、参加者にとって大きな刺激となりました。自身の研究や試作中のテキスタイルを技術者の皆さんに見ていただき、「この素材でどのような表現ができるのか」を直接相談する中から、作品制作につながる具体的なアイデアも生まれています。
また、「柄で何を伝えたいのか」「色で何を伝えたいのか」という問いを通して、技術や手法を選ぶ前に、自分が作品を通して何を表現したいのかを改めて考える機会にもなりました。
技術を知ることは、表現の選択肢を増やすだけでなく、その技術を「なぜ、どのように使うのか」を考えることにもつながります。
今回得た知識や、技術者の皆さんとの対話から生まれた新たな視点やアイデアを、セミファイナリストたちが自身の企画や表現へどのようにつなげていくのか。9月12日に行われる中間審査では、これまでの学びと試行錯誤を経てアップデートされた企画を発表し、次のステージへ進むファイナリストが決定します。
それぞれのクリエイションがここからどのように発展していくのか、ぜひご注目ください。


FFPでは、参加者の想いが込められた作品の完成に向けて、エプソンの技術者の皆さんにもプリント技術の面から寄り添っていただきながら、それぞれが目指す表現の実現可能性を探っていきます。




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