
本作品「三七〇°(370°)」は、日本古来の美意識「粋」を探求するアーティスト・MAISUZKIによるものである。彼女は「粋」を「どのような状況でも生きることをおもしろがろうとする遊び心」と解釈し、それをどんなに厳しい状況であっても新たな視点に気づき、それを面白く味わおうとする心だと考える。あたかも360度しかないと思い込んでいた世界に、新たな10度を見つけるように。
この思想を表現するため、MAISUZKIは釘を使わず木を組み合わせて紋様を作る伝統技術「組子」を拡張し、唯一無二の「立体組子技術」を用いた。それぞれのピースの面に異なる色を配し、角度によって見え方が変化するウェアラブルアートを制作。この作品を人が身に纏うことで、人と物、人と人の間に偶然生まれる視覚の移ろいを通じて、新たな視点を生み出すことを目指している。
物事や人に対して新しい視点を発見することができれば、人生の面白さは360度を超えて広がるのではないだろうか。その想いが本作品に込められている。
素材:檜・和紙
Photography by YASUNARI KIKUMA / ©︎ FASHION FRONTIER PROGRAM
MAI SUZKI 鈴木舞
Instagram:@maisuzki