エプソン社への訪問
FASHION FRONTIER PROGRAMのパートナー企業として、プログラムを支えてくださるセイコーエプソン株式会社様のプリンティング施設へ今年度のセミファイナリストと、昨年度の受賞者2名、そしてFASHION FRONTIER PROGRAM発起人である中里唯馬が訪問しました。
講義では顔料プリントと染料プリント、アナログプリントとデジタルプリントの違いを学び、実際に施設内の見学で機械の大きさや、工程を体感し、それが与える環境への影響の違いを肌で感じられる機会となりました。
また、希望者はサンプルデータのプリントを行っていただきました。
様々な素材にプリントされたサンプルを見学し、生地によるプリントの仕方や、染料インクと顔料インクの肌触りの違い、加工技術の違いも学ぶことができました。



エプソン社のプリンティング施設ソリューションセンター富士見とは
デジタル捺染の研究開発を行うとともに、お客様のデザインを用いたテスト印刷や、デジタル捺染の特長であるクリーンでコンパクトな現場環境や、最適なワークフローを体験いただくことができます。このプログラムではデザイナーの表現のこだわりを、デザイナーが技術者と直接相談しながらプリントテストを実施し、完成度を高めていきます。


本プログラムで学んだこと・得たこと
参加者の皆さんから、本プログラムで学んだことや新しく得たことについて伺いました。
ほとんどの方が、デジタル捺染は、顔料インクを使用した場合、アナログ捺染の染料インクを使用したプリントと比較して*96%水使用量を削減できるという環境負荷の低さと、短納期で対応ができることで廃棄を出さない仕組みにできるということを初めて学んだとのことで、それぞれが異なる視点から学び、環境に配慮しつつも革新的なファッションの可能性を探求する意欲がさらに高まったようでした。
出典:Fuluhashi Environmental Institute, “Report on Direct Water Input in Digital Textile Printing,” February 7, 2022. Report requested by Seiko Epson Corporation.
講義を受けて、顔料インクを使用した場合「蒸、洗いの工程が少なくて済むというのは水を大量に使用する(アナログ)プリント加工」の環境不可に対する解決策の一つの好事例であることから、新たに環境問題改善に向けて、工程を少なくするという視点で考えることを学んだと言います。
他にも、環境への配慮といえば「原始的な方法に立ち返る」ことが多かったことに気づき、エプソン社の技術によって、「環境に配慮しつつ革新性も併せ持っている点」が大きな発見だったという感想もありました。
また、「本来水資源が乏しく捺染などの染色文化が発達しなかった地域でも、デジタル捺染を活用することによって新しい伝統や産業を生み出すことができる」のではないかというアイディアを出される方もいました。
デジタル捺染と手仕事を比較すると、手仕事は「作り手のストーリーが生まれる」という強みが挙げられるのではないかとしながらも、デザイナーがどのようにデジタル捺染を使うのかによって、「その物にストーリーや新たな価値を生み出し、伝え発信することができる」と感じたという意見も寄せられました。
今後に活かせそうなアイディアについても伺いました。
残糸を使用した生地や極薄のオーガンジー、木材、特殊加工をしたブルーシートなどすでにイメージしている素材へのプリントのアイディアが出されました。
その他、マシンの位置精度の高さを活用し、表裏に異なるプリントをすることで柄を重ねたり、デジタル捺染の上からさらに染めを施したり、溶着やラミネート加工といった熱を利用した加工技術と顔料プリントを組み合わせるといった、表現方法も寄せられるなど、多岐に渡るアイディアが集まりました。
当日はオンラインで受講した方からも、デジタルプリント技術の性能や技術に関して細かい部分まで質問が飛ぶなど、自身の作品をより高めるためにどのように技術を活かすことができるのかを考えられる貴重な機会を頂くことができました。

