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Lecture 8:「闇に向かってボールを投げる〜コンテクストデザインとオートクチュールの共通点」を実施しました

Lecture 8:「闇に向かってボールを投げる〜コンテクストデザインとオートクチュールの共通点」を実施しました

Lecture 8を実施しましたので、講義の一部と、セミファイナリストの皆さんが学んだこと/新たに気づいた視点などをご紹介します。

講師/テーマ

 

講師:渡邉康太郎氏(Takram コンテクストデザイナー / 東北芸術工科大学客員教授)

テーマ:「闇に向かってボールを投げる〜コンテクストデザインとオートクチュールの共通点」

講師プロフィール

 

使い手が作り手に、消費者が表現者に変化することを促す「コンテクストデザイン」を掲げ活動。組織のミッション・ビジョン・パーパス策定からアートプロジェクトまで幅広いプロジェクトを牽引。関心事は人文学とビジネス、デザインの接続。主な仕事にISSEY MIYAKE の花と手紙のギフト「FLORIOGRAPHY」、一冊だけの本屋「森岡書店」、北里研究所、日本経済新聞社やJ-WAVE のブランディングなど。同局のラジオ番組「TAKRAM RADIO」ナビゲーターも務める。著書『コンテクストデザイン』は青山ブックセンターにて総合売上1位を記録(2022年)。趣味は茶道、茶名は仙康宗達。大日本茶道学会正教授。Podcast「超相対性理論」パーソナリティ。国内外のデザイン賞の受賞多数。また独iF Design Award、日本空間デザイン賞などの審査員を歴任。2019-2024年で慶應義塾大学SFC特別招聘教授を、2024年より東北芸術工科大学客員教授を務める。

講義概要

 

過去の中里氏との対話から得た視点を軸に、「コンテクストデザイン」と「オートクチュール」の重なりについて語られました。そこから、オートクチュールとプレタポルテの違いについて、未知なるものを想像するとはどういうことか、など幅広く議論が展開されました。

また、一冊の本のみを扱う「森岡書店」や、使用者の物語によって意味が拡張される砂時計の作品など、渡邉氏の取り組みの事例も紹介され、デザイナーが一方的に意味を与えるのではなく、利用者が主体的に文脈を編み、創造に参加することの可能性が示されました。

さらに、ファッションやデザインが「他者の人生に触れる」喜びと責任を持つ営みであることだと語られました。

学びとなったポイント

 

受講したセミファイナリストと昨年の受賞者の学びとなったポイントの一部をご紹介します。

 

 

「伝統=どこが逸脱できるか。旧漢字(傳燈)から分解して深掘り、古典的なものではなく常に変わり続けているものという言葉にハッとさせられました。」

 

 

「中里唯馬さんのアプローチを「暗闇に全力で投げ込む」と表現した部分に強く惹かれました。意味や喜びが時間をかけて現れるという遅延の概念は、マスファッションの加速的な流れへの強力な対比として印象的でした。」

 

 

「『新しい』って、全部ゼロから作ることじゃなくて、既にあるものを違う見方で見ることなんだなって気づきました。伝統って、守るために固定するものじゃなくて、炎に油を足して生き続けさせる感じなんだと思います。」

 

 

「この講義は、デザイナーの目的について新しい視点と深い気づきを与えてくれました。特に「デザイナーは触媒である」という考え方が心に残りました。自身の作品を通して、受け取る人々が共鳴し、それぞれの物語をつむぐことができるのだという点です。」

 

 

「『何かを作ったとき、受け取った人の物語が広がっていく』という視点に共感しました。これからの作品制作では、完成した服を着る人の中でどのように物語が生まれ、広がっていくのかを意識し、使い手のクリエイティビティを刺激する作品を目指したいと考えています。」

 

 

受講者からは、渡邉氏の講義を通じて「一冊だけの本屋」に象徴される不便さや余白をデザインする発想や、「伝統は固定するものではなく絶えず変化し続けるもの」という言葉が強く印象に残ったとの声が多く寄せられました。

また、「新しい」とはゼロから生み出すのではなく、既にあるものを別の角度から見ることだという気づきや、デザイナーは作品を介して人々の物語を広げる触媒となるべきだという学びも共有されました。さらに、プレタポルテとオートクチュールの対比や、ユーザーを「受け手」ではなく「表現者」として巻き込むデザインの重要性に共感する声もありました。

 

本講義は、創造における伝統と革新の関係性、そして人と社会をつなぐデザインの可能性を再考する貴重な機会となったようです。

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今後も、各講義の概要や、セミファイナリストの皆さんが学んだことをご紹介していきます。

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